高校生のための国語のおすすめ30冊

i アイ

i アイ

小説 私のおすすめ30冊 この世界にアイは存在しません 目を向けなければいけないことがある

ポプラ文庫(ポプラ社)

西加奈子

何から始めたらいいかわからない君へ

未曽有の疫病、今この時も行われている戦い、流されている血、緊迫したいくつもの局面。それは今を生きる私たちにも多かれ少なかれ影響を与えているはず。閉塞感、無力感、どこか投げやりで荒んだ気持ちが、希望を見出す気力や行動力、思考力をも霧のようにぼんやりと覆ってしまっているような。

主人公ワイルド曽田アイはシリアで生まれ、アメリカ人の父親と日本人の母のもとに引き取られて日本で暮らしている。物語はアイが高校に入学したばかりの数学の授業から始まる。

「このままではいけないような気がする」と思っている君にこそ、彼女が何に出会い、どこにたどり着くのかをぜひ見届けてほしい。自分の目と耳で、足と頭と心で世界に向きあうからこそ見つけられるものや感じられることがある。まずは、一歩踏みだしてみよう。

次に読みたい本

女の子がいる場所は

  • 女の子がいる場所は

コミック

ビームコミックス(KADOKAWA)

やまじえびね

ジェンダー平等や質の高い教育をすべての子供たちに、とSDGsでも掲げられてはいるけれど……。読み終わった後には背筋が伸び、登場する女の子たちとぎゅっと手をつなぎたくなる。

やさしい猫

  • やさしい猫

小説

中央公論新社

中島京子

日本で「外国人である」というだけで生きていくのに不利益や理不尽が発生している現状を、私たちはあまりにも知らない。